助産院あいのて

福岡市、出張専門の助産院です。産む力、うまれる力を信じ、女性と赤ちゃんに寄り添った、一人ひとりの「My助産婦」でありたいと、さまざまな方面で活動中。

離ればなれの夜

今朝お友達がシェアしてくれていた三砂ちづるさんの詩。


これを読んだせいなのか、

なんともセンチメンタルな

生まれて3回目の、息子と離れ離れの夜。


毎日忙しくて

仕事から帰ったら座る間もなく

夕飯の支度、

風呂入れ、

歯磨き、寝かしつけ…


その間も泣き叫ぶ下の子を

あやしながら、


一緒に遊ぼう、絵本読んでという息子の要求をごましながら

なんとか一日を終える。


いつもできたらいいな♡って思ってた

一人で食後のティータイムも

やってみたらなんだか味気なく。


家の中、こんなに静かだったっけ?

空の巣症候群になる親の気持ちが

わかる気がする。。

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子どもを抱く喜びにひたって欲しい  

三砂ちづる


今あなたはとても忙しいと思う。


慣れない幼い子どもとの日々に翻弄され

やってもやっても

やるべきことが終わらない

家の中のあれこれにため息をつき、

まして外で仕事のひとつもしていれば、

なんで私だけがこんなにがんばらなきゃいけないのよと、

腹のひとつもたち、

穏やかにぐっすり眠って

とろとろと夢を見る、

ということ自体が、

どこか遠い世界のように

思うのかも知れない。


おむつもかえなきゃいけないし、

おっぱいもあげなきゃいけないし、

ちょっと大きくなったら

「ママおしっこ」と起きてくるし。


ああ、わたしは毎日忙しい。


ゆっくり夢をみること自体が「夢」

ゆっくり眠りたいだけ眠った、

なんていつのことだったかしら。


残念なことに、

というか幸いなことに、

時間というものはゆくりなく過ぎ、

いま、あなたがやっていることは

あと数年と続かない。


彼らは学校に行くようになり、

あなたの知らないところで

あなたの知らないことをする時間が増え、

あなたは夜はもう少しよく眠ることができるようになる。


そうすると朝早くから起きて

弁当のひとつも作り、

子どもの外のおつきあいの後始末などもしなければならなくなってくるけれど。


つまりはフェイズが移る。


私はもう50を過ぎている。


2人いる子どもは青年になり、

文字通り毎日どこで何をしているのやら。

見上げる青年になって、

私の知らない彼らの日常はまぶしい。


この人たちはもう

私の「手の内」では生きていないのだ。


ときおり私は夢をみる、

夢の中には子ども達2人がよく出てくる。

その彼らは、けっして今のような

「男に育った」彼らではない。

夢に出てくるのは幼い彼らだ。


お話ができて、

自分のひざにのってくれるくらいの子どもである彼ら。


おそらくあと50年生きても、

夢の中の私の子どもは、

この大きさであるに違いない。


あのね、ママ、あのね、と、

とても高い声で私を見上げ、

「つまらないこと」を

いちいち聞きに来たリ、

報告したりする息子たち。


私がしゃがまないと、

彼らの視線とは合わず、

抱きしめれば腕に足り、

抱き上げれば、そのまま移動できる重さ。

私の手の届くところにいる彼ら。


おかあさん、

今あなたのひざにいるお子さんのなんといとおしいこと。


母として、

いちばんよい時期。

いちばん印象に残る時期。


あなたの子どもはいつもその大きさで、

あなたの夢の中で位置を占め続ける。


あなたが人生でつらいことがあった時、

あなたの子どもたちは、

そのような大きさであなたの夢の中に現れる。


それが現実と交錯する今こそが、

あなたの幸いでなくてなんであろうか。


涙ぐむようにして、

幼い子どもをかきいだく喜びにひたってほしい。


それはひとときの至福であり、

長き人生のうちで一瞬にして失われる、

人生の最も美しい時間だからである。

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何度読んでも涙が…

帰ってきたらたくさんたくさん

褒めて抱きしめたい。


そんな三砂さんの講演会が福岡でありますよ^_^

《詳細・お申込み》

http://mamitainfo.blogspot.com/2018/08/blog-post_1.html?m=1